不幸中の幸い

大学病院での検査結果

心臓の働きは通常の30%程度ではあるものの、機能自体には問題がないらしい。

腎臓の働きは右の腎臓が萎縮しており回復は見込めないので、食事制限で現状維持をして出来る限り人工透析を先延ばしにするのがやっと。

最初に運び込まれた病院で透析の処置を受けたおかげで肺にたまっていた水が抜け呼吸は随分と楽になっており、特にこれといって訴えるような痛みはない。

そもそも腎不全は痛みを感じないというから不思議だ。

不思議といえば、最初の病院で心臓カテーテルの処置を受けたときに首から管を入れ心臓の一部を切り取ったが、その時も痛みは一切感じなかった。

「人間の体は不思議なんです」とは両病院の主治医の先生の言葉。

突然、病室に主治医の先生が興奮した様子で入ってきた。

新たな病気の発見

興奮とは違うのかもしれないが、私にはそう見えた。

「驚かないで聞いてください。MRIの検査で技師の方が本来の検査とは違うところでとんでもないものを見つけました。ダイドウミャクカイリです」と。

ダイドウミャクカイリ?

そのとき私はその病名がどんな漢字かもわからず「はぁ・・・そうですか」と答えるしかなかった。

大動脈はわかるがカイリとは何か分からなかった。

「大動脈が裂けています。それもかなりの広範囲にわたって」と。

それを聞いてまず思ったのは大動脈が裂けて生きているものなのか、ということ。

“裂けている”と聞いて思い出したのは『さけるチーズ』くらいだ。

まあ、それはいいとして。

そもそも大動脈は三層構造になっており、その一番外側が裂けても中にある2つの層のどちらかにちゃんと血が流れていれば出血しないし、体の機能にも影響はないとのこと。

ただし、血管の強度が弱くなっているので血圧には細心の注意が必要らしい。

「通常、大動脈解離の場合は激痛が走り、麻薬を使っても取れない痛みがあったはず。そういった症状はありませんでしたか?」と問われたが、思い当たる節がない。

しいてあげれば、年末の腰の痛みくらいだが、その程度では済まないはずだという。

大動脈解離

それからは部屋から出ることも禁止され、移動はすべて車いす。

そのときはたまたま病院の都合で個室にいたためトイレが部屋に備え付けであったのは幸いだった。

とはいえ、相変わらずどこにも痛みは感じないし、体の不調を感じることもない。

大動脈解離だ、絶対安静だといわれても何一つピンとこない。

本来大動脈解離の患者は壮絶な痛みに耐えきれず、緊急入院、即手術というのが定番らしいが、まれに私のように裂けた状態で安定する患者がいるらしく。

そんな患者は血圧の管理さえしておけば、しばらく放置しておいても大丈夫らしい。

あとはどこが裂けているのか、どの程度裂けているのかが問題になるようだが場所によっては手術の必要がないこともあるようだ。

で、私の場合は、というと、心臓のところから足の付け根の部分まで全部裂けているとのこと。

当初は「広範囲にわたって裂けている」と聞いていたが、検査の結果、結局は全部裂けていたようだ。

それでも出血せず、なによりも痛みを一切感じなかったのは不幸中の幸いといえるが、逆にいつ裂けたのかわからないのが厄介でもある。

医者からは「手術をしないと死ぬ」と言われ、生きる術がそこにしかないのならうけるしかない。

一旦は手術の日程が決まっていたのだが、ここで顔なじみの占い鑑定士が「その日はよくない」とのお告げ。

もともと占いなど信じるタイプではない私だが、そういわれるとやはり気になってしまう。本来私は小心者なのだ。

それにその占い鑑定士には今回大変お世話になっていたこともあり、というよりもその鑑定士がいなければ入院すらできない状況だったのでおとなしくお告げに従うことに。

鑑定で出た“良き日”を適当な理由をつけて病院側に知らせて手術の日程を変更してもらった。

今日の教訓

人間の体は不思議だ

MRIの技師さんありがとう

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