手術までの道のり

即手術 と思いきや

ついに手術かと思われたのですが、世の中そう簡単にはいかないようで。
「大動脈の裂けめが心臓を出てすぐのところから始まっていて、場合によっては大動脈弁の置換も必要かもしれない」というのです。

脅してくるよねぇ(笑)

そのためにも「大動脈弁に詳しい教授が手術に同席したほうが安心なのですが、その教授が出張で手術の予定日にいらっしゃらないので、手術日を変更したいのですが」と手術の日程を調整する方(?)が知らせに来ました。

しか~し、大学病院から提案された日程を聞いた例の占い鑑定士が「その日は良くない」と物申すのです。
《そんなこっちの都合でポンポンポンポン手術の日程をズラせるものか》と思ったのですが、一応確認してみたところ案外融通は利くようで、あっさり日程変更が決まりました。
ワタシが慢性期にあり、容体が安定していたことで 急いで手術をする必要がなかったのかもしれません。

再度言いますが、ワタシは占いを信じるタイプの人間ではないのです。
ただ頼るものがないという現状で、“溺れる者は藁をも掴む”ではないけど、「この日があなたにとっていい日です。この日に手術をすれば大丈夫」みたいなことを言われると安心するのでしょうねぇ。

点滴大盛り

とはいえ、血圧を安定させないと 裂けている三層構造の大動脈の一番内側の血管から漏れた血液が二番目の中間層に溜まって瘤になる。
個人差はあるものの、瘤がおよそ6cmを超えると危険な状態となるようです。
ちなみに当時の瘤の大きさはおよそ4cm。

3年後に見直した今、当時は4センチくらいだったのかと驚いた
しばらく経つと、立派に‟成長”してた

瘤が大きくなるのを遅らせるために血圧が125を超えると生理食塩水を点滴して血圧を下げ、105未満になれば投与量を減らすという処置がとられましたが、朝・昼・夕・夜と1日4回血圧を測るたびに125を超え、投与する点滴の量が増えていくという有り様。

ついに点滴が限界の量まで投与されることになり、コレを見た看護師さんは「こんな量を投与する人はじめて見ました」と驚いていました。
本来はそこまで点滴を投与しなくても血圧は安定するらしいです。

それでも投与される点滴の量は増えつづけます。
点滴をうてる血管がなかなか見つからず、うてる場所が限られるということもあり、結果点滴が体内で漏れて腕が腫れるという事態に。
当時の写真が見つかったのでコチラ↓
(点滴が漏れて腫れた左手)

そのたびに点滴をうつ場所をかえますが、それでも2、3日後にはまた腕が腫れて別の場所に点滴を打つことに。
左右の腕を替えたり、うつ場所を替えたりしながら点滴を体内に送り込み続けます。

点滴がなくなるたびにピピピピと電子音が鳴り響き、これがまたうるさいんですよ。
1本目は5時間もしないうちに切れ、2本目は9時間くらいで切れるので、なかなかぐっすり寝ることが難しかったです。

そしてここで大学病院特有のシステム?が発動しました。

まさかの転院

そもそも急性期の患者が手術や処置をするために来るのが大学病院で、そうでない患者は滞在することができないのです。
当然ワタシも例外ではなく、最初に担ぎ込まれた病院に転院するよう通告されました。
「手術の予定日までそちらの病院で血圧の管理をしてもらい、手術の前日に戻ってくるように」と告げられます。
しかしワタシの体には点滴が刺さっており、普通にタクシーや車で移動というわけにはいかないのです。
ではどうするのか?
そう! まさかの救急車での移動となりました。
救急車を使って病院から病院への移動。
《そんなことがあるのか》と不謹慎ながらもちょっとだけワクワクした記憶があります。

転院してもやることは同じ。
朝6時起床、昼12時昼食、夕方6時夕食、夜9時消灯。
朝から採血、血圧測定、体重測定、担当医の先生(まれにもっと偉そうな人)の回診。

昼からは検査があれば各種検査。
もちろん部屋から出られず缶詰め状態で移動はすべて車いす。
ただ一つ違っていたのは点滴の量を決める血圧の基準。
基準が大学病院よりもかなり緩かったおかげ?で次第に点滴の量が減っていき、ついには点滴を外すことができました。
正直《血圧これで大丈夫か?》と思わなくもなかったのですが、そこは担当の先生を信じるしかないです。

それにしてもやることがない。
もちろん仕事や勉強などできるのですが、今後どうなるのか分からないのでイマイチやる気が出ない。
やっていても《どうなるか分からないし、なんかどうでもいいなぁ》と思ってしまう(これは個人差があるでしょう)
となれば、役に立つのはクロスワード。
個室だったこともあり、集中力を乱されることはないのでクロスワードがはかどるはかどる。
4日ほどで一冊が終了。

二冊目が終了する頃には大学病院に再転院して手術を受ける日が近づいてきました。

勝手にこうだろうと考える
医学用語

急性期 :すぐに手術などの処置が必要な状態 

慢性期 :容体が安定していて、すぐに手術などの処置を必要としない状態

今日の教訓

手術の日程は意外と融通が利く

溺れる者は藁をもつかむ

最後まで読んでいただき
ありがとうございました

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