手術までの道のり

即手術と思いきや

さて、ついに手術かと思われたが世の中そう簡単にはいかないようだ。

「大動脈の裂けめが心臓を出てすぐの場所から始まっており、場合によっては大動脈弁の置換が必要かもしれない」というのだ。

そのためにも「大動脈弁に詳しい教授が手術に同席したほうが安心だが、その教授が出張で手術の予定日にいないので、手術日を変えて欲しい」と手術の日程を調整する方が知らせに来た。

提案された日程を聞いて例の占い鑑定士が「よくない」という。

そんなこっちの都合でポンポン手術の日程をずらせるものかと思ったが、案外融通は利くようで、あっさり日程変更が決まった。

というのも私が慢性期にあり、容体が安定していたことで、急いで手術をする必要がない状態だったからではあるのだが。

再度いうが、私は占いをそこまで信じている訳ではない。

しかし、頼るものがないのが現状で、“溺れる者は藁をもつかむ”ではないが、「この日があなたにとっていい日です。この日に手術をすれば大丈夫」と言われると安心し、すがりたくなるものだ。

点滴大盛り

とはいえ、血圧を安定させないと裂けた内側の血管に血が溜まって瘤になる。

個人差はあるものの、瘤がおよそ6センチメートルを超えると危険な状態になるようだ。

ちなみに当時の私にも瘤があり大きさはおよそ4センチメートル。

そのため、血圧が125を超えると点滴を使って血圧を下げ、105未満になれば投与量を減らすという処置がとられたが、朝、昼、夕、夜と1日4回血圧を測るたびに125を超え投与する点滴の量が増えていく。

ついに点滴がマックスの量まで投与されることになり、これを見た看護師の方が「こんな量を投与する人はじめて見ました」と。

本来はそこまで点滴を投与しなくても血圧は安定するらしい。

ついには2本目の点滴が追加されることに。

それでも投与される点滴の量は増えつづける。

点滴をうてる血管がなかなか見つからず、うてる場所が限られるということもあり、結果点滴が体内で漏れて腕が腫れるという事態に。

そのたびに点滴をうつ場所をかえる。

それでも2、3日後にはまた腕が腫れて別の場所に。

左右の腕を替えたり、うつ場所を替えたりしながら点滴を体内に送り込み続ける。

点滴がなくなるたびにピピピピと電子音が鳴り響き、これがまたうるさい。

1本目は5時間もしないうちに切れ、2本目は8時間、9時間で切れるので夜中なかなかぐっすりと寝ることが難しかった。

ここで大学病院特有?のシステムの登場。

まさかの転院

そもそも急性期の患者が手術や処置のために来るのが大学病院で、そうでない患者は滞在することができないらしいのだ。

当然私も例外ではなく、最初に担ぎ込まれ入院していた病院に転院するよう通告される。

手術の予定日までそちらの病院で血圧の管理をしてもらって手術の前日にまた大学病院に戻ってくるように言われた。

しかし、体には点滴が刺さっており普通にタクシーや車で移動というわけにはいかない。

ではどうするのか?

まさかの救急車での移動となった。

救急車を使って病院から病院へ移動。

そんなことがあるのか、と不謹慎ながらちょっとだけ楽しかった。

転院してもやることは同じで朝6時起床、昼12時昼食、夕方6時夕食、夜9時消灯。

朝から採血、血圧測定、体重測定、主治医の先生(まれにもっと偉そうな人)の回診。

昼からは検査があれば各種検査。

もちろん部屋からは出られず缶詰め状態。

移動はすべて車いす。

ただ一つ違っていたのは点滴の量を決める血圧の基準。

基準が大学病院よりも緩かったおかげ?で次第に点滴の量が減っていき、ついには点滴をすべて外すことができた。

正直「血圧これで大丈夫か?」と思わなくもなかったが、そこは主治医の先生のことを信じるほかない。

それにしてもやることがない。

となれば、役に立つのはクロスワードだ。

個室だったこともあり、集中力を乱されることはないのでクロスワードが捗る捗る。

4日ほどで一冊終了。

二冊目が終了する頃には大学病院に再転院して手術を受ける日が近づいてきた。

 

勝手にこうであろうと考える医学用語

急性期 すぐに手術などの処置が必要な状態 

慢性期 容体が安定しておりすぐに手術などの処置を必要としない状態

 

今日の教訓

手術の日程は意外と融通が利く

溺れる者は藁をもつかむ

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