雨降っていろいろ固まる

手術2日前

手術予定日2日前。《ソロモンよ私は帰ってきた》心の中でそうつぶやいてニヤリとしてしまいました。

ヤバい手術が控えているというのにのんきなもんだ、と今は思いますよ

別に覚悟ができていた訳ではないのですが、何となく《手術を受けるんだな》程度でまるで他人事のような気分でした。

占い鑑定士の“いい日”が手術の予定日だったことも安心材料ではあったのかもしれません。しかし、重ねて言いますがワタシはそこまで占いを信じている訳ではないんです。

正しいかどうかは知らないけど、占いとはいわゆる統計学の一種だという認識。確率論的な一種の学問だと思っているので、当たる確率は高いのかもしれないけど、すべての人に当てはまるような代物ではないと思っています。

が、だからこそ“当たる確率”は高いのかもしれないんですよねぇ。ただし、占いに依存するようになると危険でしょう。とはいうものの、占い鑑定士に言われるままに手術の日程を決めているワタシの言葉では説得力に欠けるかな…。だって、聞いてしまうとやっぱり気になるじゃないですか?(笑)

手術前日

手術に向けて前日に検査を行い、迎えた当日…とはいかなかった。
今度は「炎症を示す数値が高く 今回の手術はリスクを冒せないので延期したい」とのこと。

この時点でやっと今回の手術の詳細が明らかになりました。

  1. 全身麻酔をかける
  2. 胸を切って胸骨を開いて意図的に骨折した状態にする
  3. 大動脈を人工血管に置換する手術なので出血を最小限に抑えるため心臓を止める
  4. その間全身の各器官に血液を送る必要があるので人工心肺を使う
  5. 場合によっては大動脈弁を人工弁にとりかえる
  6. 脳に血液の塊や大動脈の欠片が流れ込んで脳梗塞になるリスクを低くするために脳を25℃以下に冷やす
  7. この手術での死亡確率は10%程
  8. 手術自体は成功しても後で脳梗塞や人工透析など後遺症が残る可能性はある
  9. 輸血は30人分以上を用意している

これを聞いて一切不安を感じないという人は少ないのではないでしょうか。実際、看護師さんたちに「手術怖くないですか?」と何度か聞かれましたからねぇ。

《心臓を止めて脳も25℃以下にして、ってそれ半分死んでないか?》と思わなくもなかったけど、やらなくても済むならやりたくないが、先生から「やらなければ近いうちに死ぬので手術はした方がいいです」といわれていたので、やる意外に選択肢はないでしょ。

しかしワタシが一番驚かされたのはそんなことよりもワタシの血液型がAだったという事実。母親からO型だと聞かされ、そう信じてO型として生きてきました。別にAだろうがOだろうが変わりはないんですけど、今回の一連の入院の中でこの事実が一番驚きました。コレを母親に問いただすと「私はO型って聞いたけどねぇ。血液型って途中で変わることもあるのねぇ」とのこと。そんなわけないと思うが、やっぱりワタシはこの人の子で間違いないと思いました。

手術日延期

そして【手術の予定日を決める】3度目の交渉になるのですが、このときすでに年度末…
国立の大学病院であったためワタシの担当をしていた主治医の先生が異動となり、手術直前に主治医が替わるという想定外のの事態。
《そんなことがあるのかよ!》とビックリしました。しかし結果的にはこの変更はワタシにとっては幸運となります。
かつて《先生たちや患者の都合を聴いて手術の日程を調整している人なんだろうなぁ》と思っていた人が新しい主治医となりました。
そして(この時は知りませんでしたが)この先生はワタシが最初に担ぎ込まれて入院した病院の主治医の先生と同級生だったのです。
今でもラインで連絡をとりあっているおかげか 情報の共有も容易で、転院の手続きについても煩わしさは一切なかったみたいです。

世はゴールデンウィークが10連休になると騒いでいるさなか、大学病院も例外ではなく10連休となりました。

5.5センチメートルを超えているワタシの大動脈瘤が耐えられのるかと不安だった4月中旬、大学病院の新たな主治医の先生はあっけらかんと「大丈夫でしょう」とニッコリ。
しかしここで、またもや我らが占い鑑定士の登場です。
「手術するなら4月25、26、27日のどれか」と。
「それがダメなら?」とたずねてみると「譲歩して5月6、7、8、9日」とのお告げ。

我らが占い鑑定士の“助言”をもとに主治医の先生に4月中の手術の日程を聞いてみると、「4月中は他の患者さんで詰まっているため無理」という答えで、手術はゴールデンウィーク明けと決まります。

二度目の転院

時代は平成から令和に変わろうとしていましたが、ここでまた大学病院特有のシステムが発動します。
「手術がゴールデンウィーク明けになるため、その間退院してもらいたい」とのこと。 こうして最初の病院へ二度目の転院となります。
若干手術でナイーブになっており、タライマワシにあっている感が否めないことも手伝ってワタシはちょっとうんざりしていました。

ちなみに今回は妹の車で普通に転院。これまでにも転院するたび、その他ことあるごとに妹の世話になっており 引け目を感じましたが、持つべきものはしっかり者の身内です。

今回もまた次の手術予定日まで血圧に気を付けながらおとなしく過ごして…とはいかなかったんですよねぇ。

転院初日

今まで大動脈関連で痛みを感じたことはなかったのですが、今回初めて若干胸に痛みを感じました。正直たいした痛みではなかったのですが、一応主治医の先生に言ってみます。

これまでも大動脈とは関係なさそうな「点滴が漏れて腕が痛い」とか「なぜかわからないけど脇が痛い」と訴えたことはあったのですが、そのたびに「なんででしょうねぇ?」とあまり対応してもらえませんでした。
大動脈とは無関係の痛みには無頓着というか、なんというか…。

看護師さんの中に対応してくれる方がいたので良かったけど、誰も対応してくれなかったら痛みと怒りで血圧が上がりまくっていた事でしょう

ですが今回はさすがに大動脈関連の痛みということでレントゲンとCTを撮ることに。
結果、最初に担ぎ込まれた病院が把握している瘤よりも大きくなっており、「心臓に何か液体が少し漏れて固まっているようですが、今すぐ悪さをする感じではないでしょう」とのこと。

ワタシが「液体って血ですか?」と聞くと、先生は「血だったらもう死んでます」と即答しました。

それでも念のために大学病院への緊急転院をすすめられ、転院してきてすぐにまたもや転院の準備をしていたのですが、大学病院からの回答はまさかの「NO」。ベッドが確保できないらしい。
しかし、ここで主治医同士が同級生だったことが幸いします。どうしても緊急転院させた方がいいというゴリ押しが通りました。そしてこのゴリ押しがワタシにとっては幸運となったのかもしれません。

最後まで読んでいただき ありがとうございました

次回「転院&転院

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