患者から見た大動脈解離(乖離)

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大動脈解離(乖離)

一言でいえば「大動脈が裂けること」
胸や背中に耐えがたい激痛が走ることが多いようですが、ワタシの場合は熟睡しているときに一瞬で目が覚める程の腰の痛み。

眠っていると 震度4程度の地震では気づかないこともありますが、あのときはすぐにベッドからスライドして中腰で立ち上がりました。
激痛は(たぶん)一瞬だけでしたが、腰を伸ばすと多少痛みを感じるような気がしたので、 市販の痛み止めを飲んで落ち着いたものの1時間以上は中腰のまま動けなかった気がします。

朝まで3時間以上 腰をさすってあげたでしょ?
病院には行かないって言うし

あれ?そうだっけ?(苦笑)

・・・。3時間以上 中腰のままであまり動けなかったようです。

その後は特に痛みを感じなかったので「病院に行きなさい」という忠告を無視していると、1週間くらいで呼吸困難となり救急車で運ばれました。

コレは肺に水が溜まったことが原因かな?

当初は別の病気を疑われて大学病院を紹介されたのですが、、色々と検査してもらった結果 MRI検査で〈大動脈解離〉が見つかりました。

主治医の先生から「落ち着いて聞いてください」と念をおされ、「大動脈が全範囲にわたって裂けています」と告知されたのですが・・・。
ワタシは《大動脈が・・・裂けている?》と頭に「?」が浮かび、意味がわからず眉をひそめて「・・・そうですかぁ」と答えました。

思い浮かんだのは『さけるチーズ』くらい↓

そして《大動脈が裂けても大丈夫なんだ》と他人事のような感覚。

今になって先生の様子を思い返すと、ワタシの反応は予想外だったのかも。

他の人がどんな反応をするのか知らないけど

別に痛みもないし、これといって訴えるような何かもないので《ちょっと何言ってるのか分からないなぁ》と首をかしげる患者に対して、先生は《この人、事の重大さが判っているのかな?》とお互いに「?」が頭に浮かび、病室には「?」が渋滞していたかもしれません。

そもそも〈大動脈解離〉って?

大動脈は外膜中膜内膜という三層構造になっており、血液は一番内側の内膜を流れ、コレが本来の血液の通り道(真腔)。
ところが大動脈の一番内側の内膜に亀裂が入り、その裂け目に血液が流れ込んで中膜が膨らみ、真腔とは異なる別の血液の通り道(偽腔)が出来る状態。
もろくなった部分に圧力がかかって血管が太くなると、コブ(大動脈瘤)になることも

偽腔が大きくなって真腔を圧迫すると血液の流れに支障をきたし、脳や心臓、その他の臓器等に障害を発生させることもあり、大動脈瘤が破裂したらほぼアウト。

ワタシの場合は偽腔にも血液が流れて各器官に血液を運んでいたらしく、幸いなことに致命的な障害は発生していない(と思う)ので、腰の激痛から大動脈瘤が大きくなって手術するまで4か月程の猶予がありました。

〈大動脈解離〉を発症してから2週間までを〈急性期〉、2週間から3か月までを〈亜性期〉、3か月以降を〈慢性期〉と呼び、芸能人の方が亡くなっているというニュースを見るのは〈急性期〉の〈大動脈解離〉でしょう。
ちなみに・・・
裂けたときに危険度がより高い〈急性大動脈解離〉となるのか、〈慢性大動脈解離〉となるのかは運次第かも(苦笑)

退院して5年たちますが、改めてこうして調べてみると《あぁ!そういうことね》と先生の説明に納得できる部分があります。
当時は調べることはせず、《なんだかよくわからないけど、とにかくお任せしますよ》としか思っていなかったので。

「手術をしないと死ぬ」と言われたらヤルしかないでしょ?調べるまでもない

普通は気になるから調べるんじゃない?

いや、でも、でもですよ。
ワタシは入院中に自分の病気について調べるべきではないと思うんです(※個人の勝手な感想なので悪しからず)。
自分がどんな病気なのかを知ることは大事なことかもしれませんが、退院してから《あぁそんなことになってたんだぁ》と思っても決して遅くはないはず。

まぁ時間と覚悟があるなら調べてもいいだろうけど・・・。

患者が病気を理解したところで手術の結果には影響しないだろうし、‟最悪の結果”を思い浮かべた憂鬱な入院生活を送るよりも《先生あとは任せた!》と気楽な入院生活を送ったほうが精神衛生上もよろしいのではないか、と(笑)

まぁ無事退院したから そう言えるだけかもしれませんが・・・

大動脈解離を避けるには?

さて、大動脈が裂けると様々な障害を引き起こすこともあり、ロクなことがない〈大動脈解離〉ですが、予兆や兆候は・・・ないです。
ちなみにソレ(腰の激痛)以前も以降もどこかに痛みを感じることすらありません。

(たぶん)心臓が肥大したことで
息切れや立ち眩みはあったけど

なので、《大動脈解離は気をつけようがないだろうなぁ》というのが経験者の率直な感想。
ほとんどの方が突然の激痛に襲われて【気づいたら裂けていた】という状態でしょう。

〈心肥大〉などは裂けた後の話。
極論「裂けるときは裂ける」のでしょうが、それでは納得してもらえないかもしれないので。

勝手な印象

間違っていたら申し訳ないのですが・・・
仮に大動脈が裂けただけであれば、問題ないんじゃないかなぁ。
偽腔真腔を圧迫したり、もろくなった部分や大動脈瘤が破裂することが問題なのだと。
まぁ裂けたまま放置しておくと、いづれそうなるのでしょうが(苦笑)

・原因

〈大動脈解離〉の原因としては動脈硬化、高血圧、喫煙、ストレス、高脂血症、糖尿病、睡眠時無呼吸症候群、遺伝などのさまざまな要因が関係するらしいです。

・対抗策

気を付けることが出来そうな事は「運動と食事」でしょうか。
ストレス遺伝に関しては自分ではどうにもできないので。

〈動脈硬化〉は加齢や〈高血圧〉が原因とされ、〈高脂血症〉は食べ過ぎ・運動不足・喫煙・ストレスなどが原因とされ、〈糖尿病〉も遺伝的な要因はあるものの、運動不足・肥満・ストレスなどの生活習慣や加齢といった要因が加わることで発症するようです。
加齢は仕方ないとして、出来ていなかったワタシが言うのもなんですが、結局は「適度な運動とバランスのいい食事を」ってことですね。
週に4,5日 2~4キロくらい走っていたけど、食事はなぁ・・・。

〈高血圧〉を原因とする〈慢性大動脈解離〉のワタシは手術をした場所以外の大動脈が全範囲裂けっぱなしという状態なので、血圧の管理は欠かせません。
「減塩しても血圧は下がらない」という説もあるようですが、塩分が高い食事を摂り続けると血圧は高くなってしまうので、手遅れになる前に多少は塩分を控えたほうがいいのではないかと。

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、1日当たりの摂取目標として成人男性で7.5g未満成人女性で6.5g未満だそうです。
ちなみにワタシの目標は6.0g未満ですが、1日6gでは食べたい物が食べられなくなるので、気をつけましょう。

・気温等

寒い時期になってくると血管がキュッと縮み、その結果 血管内の圧力が上がってしまって裂けることも。
実際ワタシが腰の激痛を感じたのは12月末日。
寒い屋外と温かい屋内との急激な温暖さは血圧の急激な上昇に繋がるようです。
‟血圧の急激な変化に気をつけることができるようであれば”、裂けることを避けることが可能‟かも”しれませんね。

まとめ?

 

予兆もなにもなく、突然の激痛とともにつきつけられる〈大動脈解離〉という事実。
そのまま闘病生活すら許されない場合も・・・。
日頃の生活習慣等を見直すことで防ぐことは出来るかもしれません。
が!日頃から潔癖症を自称するような人でも新型コロナに感染することだってあるわけです。
「どれだけ気をつけようと、なるときはなる」といってしまうと元も子もないのですが、生活習慣を見直すことで皆さんがコチラ側に来ることがないことを祈りつつ、本日はこれまでにいたしとうございます。
すでに〈大動脈解離〉となってしまっている‟お仲間”のかたはお互いめげずに頑張りましょう!

まぁ生活習慣を見直すことができれば、様々な病気を防ぐことにもつながりそうですからね。
え?ワタシ?ワタシはもちろん減塩していますが、運動は・・・何かしないとなぁ。

最後まで読んでいただき
ありがとうございました

もしワタシの〈大動脈解離〉の経験が気になったら、コチラをご覧いただけると幸いです